類似薬効比較方式(Ⅰ)(Ⅱ)のしくみ
類似薬効比較方式(Ⅰ)は、最も類似性の高い既収載品(比較薬)と一日薬価が同じになるように新薬の薬価を決める方式で、補正加算の対象になります。類似薬効比較方式(Ⅱ)は、新規性に乏しく薬理作用類似薬の組成が3種類以上ある新薬に使い、過去10年・6年などに収載された類似薬の一日薬価の平均や最低値を基準に、より低い額で算定します。
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令和8年度薬価制度改革後の『薬価算定の基準について』(令和8年2月13日 保発0213第3号、令和8年4月1日以降の薬価収載に適用)に基づく
類似薬効比較方式(Ⅰ)はどう計算する?
新薬の一日薬価(通常最大用量を投与した場合の一日あたりの費用)が、類似する効能・効果に係る比較薬の一日薬価と同じになるように、新薬の薬価算定単位あたりの額を求めます(一日薬価合わせ)。新薬と比較薬の剤形区分が異なる場合は、類似薬の剤形間比を掛けます。
補正加算の要件を満たす場合は、この額に補正加算を行います。共同開発などで組成・剤形が同じ最類似薬が複数ある場合は、それぞれで算定した額を年間販売量で加重平均します。
比較薬はどう選ばれる?
類似薬は、①効能・効果、②薬理作用、③組成・化学構造式、④投与形態・剤形区分・剤形・用法からみて類似性がある既収載品で、新薬の算定では原則として新薬として収載された品目に限られます。その中で汎用規格のもののうち最も類似性が高いものが最類似薬で、複数の類似薬の組み合わせが最も類似性が高いと認められる場合は、その組み合わせを最類似薬とします。
- 新薬算定最類似薬は、原則として新薬の承認日の前日から起算して過去10年間に収載され、後発品が収載されていない既収載品から選ぶ。必要と認められる場合はそれ以外の既収載品も用い、該当がなければ原価計算方式で算定する
- 長期収載品のうちG1品目は原則として比較薬としない(その有効成分を含む新医療用配合剤など、必要と認められる場合を除く)
比較薬に補正加算が付いていた場合は?(令和8年度改革)
比較薬が市場性加算(Ⅰ)(Ⅱ)・特定用途加算・小児加算・先駆加算・迅速導入加算を受けている場合は、その加算額に相当する額を控除した額を比較薬の薬価とみなして一日薬価合わせを行います。控除の対象は令和8年度改革で先駆加算・迅速導入加算から市場性加算・特定用途加算・小児加算にも広がり、控除したうえで新薬も要件を満たせば同じ加算を受けられます。画期性加算・有用性加算(Ⅰ)(Ⅱ)は控除しません。
類似処方医療用配合剤、新医療用配合剤、ラセミ体・先行品がある新薬の特例による算定では、この控除は行いません。
類似薬効比較方式(Ⅱ)はどんな場合に使う?
補正加算の対象にならない新規性に乏しい新薬で、主たる効能・効果に係る薬理作用類似薬の組成が3種類以上ある場合に用います。比較薬は主たる効能・効果に係る汎用規格の薬理作用類似薬で、期間は新薬の承認日の前日から起算します。
| 区分 | 基準額 | (Ⅰ)による額を超える場合 |
|---|---|---|
| 過去10年間に収載された薬理作用類似薬がある | 過去10年の類似薬の一日薬価の相加平均と、過去6年の類似薬の最低一日薬価のいずれか低い額 | (Ⅰ)による額、過去15年の相加平均、過去10年の最低一日薬価のうち最も低い額 |
| 過去10年間に収載された薬理作用類似薬がない | 直近に収載された薬理作用類似薬の一日薬価 | (Ⅰ)による額、過去20年の相加平均、過去15年の最低一日薬価のうち最も低い額 |
いずれも新薬と類似する効能・効果に係る一日薬価。新薬が革新的新薬薬価維持制度の対象外で、基準額の算出対象となった既収載品が同制度の対象である場合などは、その累積額相当を控除する。
規格違いの新薬(規格間調整)はどう算定する?
同じ企業・組成・剤形区分の汎用規格と非汎用規格が同時に収載される場合、非汎用規格は、汎用規格(または同一企業の最類似薬)の薬価と有効成分量の関係が類似薬の規格間比と同じになるように算定します。規格間比は log(価格比)/log(含量比)で求め、1を超える場合や類似薬に規格間比がない場合は1とします。内用薬で通常最大用量を超える高含量規格などは上限0.5850です。
JPD では、2007年以降の新薬の算定事例を補正加算の種類・算定方式ごとに検索し、根拠となる中医協資料のページを確認できます。
よくある質問
- 類似薬効比較方式(Ⅱ)で補正加算は付きますか?
- 付きません。類似薬効比較方式(Ⅱ)は補正加算の対象とならない新規性に乏しい新薬に適用される方式です。
- 比較薬が10年以上前に収載された品目になることはありますか?
- あります。新薬算定最類似薬は原則として過去10年以内に収載され後発品のない品目ですが、必要と認められる場合はそれ以外の既収載品を用いることができます。
- 類似薬効比較方式(Ⅰ)でも外国平均価格調整は行われますか?
- 薬理作用類似薬がない場合に限り行われます。薬理作用類似薬がある場合の類似薬効比較方式(Ⅰ)には適用されません。