加算係数と開示度(原価計算方式の補正加算)
原価計算方式で算定する新薬は、補正加算額に開示度に応じた加算係数を掛けます。開示度(製品総原価のうち薬価算定組織で開示できる額の割合)が80%以上なら1.0、50%以上80%未満なら0.6、50%未満なら0で、係数0では補正加算に該当しても薬価に上乗せされません。令和8年度改革ではこの扱いは見直されず、引き続き検討事項とされました。
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令和8年度薬価制度改革後の『薬価算定の基準について』(令和8年2月13日 保発0213第3号、令和8年4月1日以降の薬価収載に適用)に基づく
開示度とは?
開示度は「製品総原価のうち薬価算定組織での開示が可能な額 ÷ 製品総原価」です。輸入品などで海外の親会社等から原価の内訳が開示されない場合、開示度は低くなります。
加算係数はどう決まる?
| 開示度 | 加算係数 | 補正加算の反映 |
|---|---|---|
| 80%以上 | 1.0 | 加算額がそのまま反映 |
| 50%以上80%未満 | 0.6 | 加算額の6割が反映 |
| 50%未満 | 0 | 反映されない |
『薬価算定の基準について』別表2。加算額=算定値×補正加算率×加算係数。
加算係数は原価計算方式にだけ適用され、類似薬効比較方式(Ⅰ)の補正加算には掛かりません。
開示度は加算係数以外にも影響する?
販売費及び一般管理費の係数に上限がかかる条件にも開示度が使われます。開示度が80%以上でその妥当性が確認でき、かつバイオ医薬品でない(またはピーク時予測売上高50億円未満で研究開発費だけで平均的な係数を超えるバイオ医薬品である)新薬では、原価・販管費・営業利益の合計に対する販管費の割合の上限を70%とします。希少疾病用医薬品等で平均を超える係数が妥当と薬価算定組織が認めた場合は、この限りではありません。
実際にはどのくらいの品目で加算が反映されている?
2024年4月〜2026年8月に原価計算方式で収載された40品目を確認すると、補正加算が評価されたのは38品目で、そのうち加算が薬価に反映されたのは12品目でした。25品目は加算係数が0だったため、加算前後の価格が同じでした。
原価計算方式で算定された新薬 40 品目(2024-04〜2026-08 収載、JPD 調べ)
- 補正加算が評価された品目
- 38 品目
- 加算が薬価に反映された品目
- 12 品目
- 加算前と加算後の薬価が同じ品目
- 25 品目
加算前と加算後の薬価が同じ品目は、加算係数によって加算分が薬価に反映されなかったものです。算定資料で加算前後の薬価が確認できない品目は数えていません。
令和8年度薬価制度改革の骨子も、開示度が50%未満にとどまり補正加算が薬価に反映されない例がある一方、サプライチェーンの複雑化で原価の詳細な開示が難しくなっていると指摘しています。そのうえで今回は見直しを行わず、業界団体の開示度向上の取組を基本としつつ、次期改革で引き続き検討するとしています。
JPD では、2007年以降の新薬の算定事例を補正加算の種類・算定方式ごとに検索し、根拠となる中医協資料のページを確認できます。
よくある質問
- 開示度が50%未満だと補正加算は認められないのですか?
- 加算の要件に該当するかどうかの評価は行われますが、加算係数が0のため加算額が0になり、薬価には上乗せされません。
- 類似薬効比較方式でも開示度は問われますか?
- 加算係数は原価計算方式の補正加算にだけ適用されます。類似薬効比較方式(Ⅰ)の補正加算には掛かりません。
- 令和8年度改革で加算係数は変わりましたか?
- 変わっていません。1.0/0.6/0 の区分は令和6年度版と同じで、骨子では次期薬価制度改革で引き続き検討するとされています。