迅速導入加算の要件と加算率
迅速導入加算は、国際共同試験などで開発され、優先審査の対象となり、承認申請と承認がいずれも欧米より早いか欧米で最も早い時期から6か月以内である新薬に5〜10%を加算するものです。4つの要件をすべて満たす必要があり、先駆加算の対象品には適用されません。
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令和8年度薬価制度改革後の『薬価算定の基準について』(令和8年2月13日 保発0213第3号、令和8年4月1日以降の薬価収載に適用)に基づく
迅速導入加算の要件は?
次の4要件をすべて満たす新薬(先駆加算の対象を除く)が対象です。
- イ 国際共同試験(日本で臨床試験が実施されている場合に限る)により開発された品目、または日本以外の国と同時もしくは先に臨床試験を実施して開発された品目であること
- ロ 医薬品医療機器等法第14条第10項に基づく優先審査の対象となった品目であること
- ハ その効能・効果について、承認申請が米国および欧州より早い、または欧米で最も早い承認申請から6か月以内であること
- ニ その効能・効果について、承認が欧米より早い、または欧米で最も早い承認から6か月以内であること
加算率は5〜10%です。迅速導入加算は令和6年度改革で設けられた加算で、統計の集計期間もそれ以降になります。
迅速導入加算が適用された新薬の件数と加算率(2024年4月17日〜2026年8月13日 収載、JPD 調べ)
- 適用された件数
- 11 件
- 加算率の最小〜最大
- 5%〜10%
- 加算率の中央値
- 5%
| 加算率 | 5% | 10% |
|---|---|---|
| 件数 | 7 | 4 |
| 算定方式 | 件数 |
|---|---|
| 類似薬効比較方式(Ⅰ) | 8 |
| 原価計算方式 | 3 |
件数は、中医協の新薬の薬価算定資料で加算が適用された算定の数です(規格間調整のみの算定は除く)。
| 収載日 | 販売名 | 算定方式 | 加算率 | 出所 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年7月15日 | ハイツエキシン錠10mg | 原価計算方式 | 10% | 資料 |
| 2026年4月15日 | イドビンソ配合錠 | 類似薬効比較方式(Ⅰ) | 10% | 資料 |
| 2026年3月18日 | ブーレンレップ点滴静注用100mg | 類似薬効比較方式(Ⅰ) | 5% | 資料 |
| 2026年3月18日 | ミンジュビ点滴静注用200mg | 類似薬効比較方式(Ⅰ) | 5% | 資料 |
| 2025年11月12日 | イブトロジーカプセル200mg | 類似薬効比較方式(Ⅰ) | 5% | 資料 |
| 2025年11月12日 | ヘルネクシオス錠60mg | 類似薬効比較方式(Ⅰ) | 5% | 資料 |
| 2025年11月12日 | アイマービー点滴静注300mg | 類似薬効比較方式(Ⅰ) | 5% | 資料 |
| 2024年11月20日 | アセノベル徐放錠500mg | 原価計算方式 | 5% | 資料 |
| 2024年11月20日 | タスフィゴ錠35mg | 類似薬効比較方式(Ⅰ) | 10% | 資料 |
| 2024年5月22日 | アジンマ静注用1500 | 類似薬効比較方式(Ⅰ) | 5% | 資料 |
| 2024年4月17日 | ボイデヤ錠50mg | 原価計算方式 | 10% | 資料 |
迅速導入加算を受けた薬が比較薬になるとどうなる?
迅速導入加算を受けて算定された既収載品を比較薬として類似薬効比較方式(Ⅰ)または(Ⅱ)で算定する場合は、その加算額に相当する額を控除した額を比較薬の薬価とみなします(新規後発品の一部の算定を除く)。この控除の規定は令和6年度版の基準から設けられています。
迅速導入加算の定義には比較薬に関する条件はなく、比較薬が迅速導入加算を受けていても、新薬自身が要件を満たせば加算の対象になります。
規格間調整のみで算定される新薬や効能追加にも適用される?
令和8年度改革で、規格間調整のみで算定される新薬(同一企業・同一組成・同一剤形区分の既収載品がある新薬)も、先駆加算・迅速導入加算の要件を満たせば加算を受けられるようになりました。ただし新薬算定最類似薬が先駆加算または迅速導入加算を受けていない場合に限られ、複数の加算要件を満たすときは加算率が最も大きいもの1つを適用します。
既収載品に迅速導入加算の要件を満たして効能・効果等が追加された場合は、薬価改定時の加算(基準第3章第10節)の対象になり得ます。
JPD では、2007年以降の新薬の算定事例を補正加算の種類・算定方式ごとに検索し、根拠となる中医協資料のページを確認できます。
よくある質問
- 先駆加算と迅速導入加算は併せて受けられますか?
- 受けられません。迅速導入加算は先駆加算の対象となる新薬を除くと定義されています。
- 欧米で未申請・未承認の場合は要件を満たしますか?
- 要件は「欧米より早い」または「欧米で最も早い申請(承認)から6か月以内」です。日本の申請・承認が欧米より先であれば、時期の要件(ハ・ニ)は満たします。ほかに国際共同試験等での開発と優先審査の要件もすべて満たす必要があります。
- 優先審査の対象でなければ迅速導入加算は受けられませんか?
- 受けられません。医薬品医療機器等法第14条第10項に基づく優先審査の対象であることが要件の一つです。