ヤンセンファーマの新薬の算定と再算定(2026年10月)リブロファズ配合皮下注・イコタイド・再算定
ヤンセンファーマの新薬の算定・再算定などについて、いまの論点を公表資料から整理しました。数字と日付はすべて中医協・厚生労働省・PMDA などの資料のとおりで、表ごとに出所を付けています。
こんな方に:薬価・マーケットアクセス/経営企画
2026年10月版 更新日:
ウェブ版(表の出所の資料・全件の表):https://www.healthle.jp/drug-database/companies/4010001089128/report
ヤンセンファーマのいまの論点
1リブロファズ配合皮下注と、EGFR 阻害薬(肺がん)の算定の先例
リブロファズ配合皮下注(アミバンタマブ(遺伝子組換え)、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え))は2026年9月16日に承認され(新用量・剤形追加に係る医薬品)、薬価収載を待っています。これまで9月に承認された新医薬品は、2023年は11月22日、2024年は11月20日、2025年は11月12日に主に収載されています(直近3年の承認から収載までの中央値は57日)。収載の日は、中医協の総会で了承されて決まります。
国内で収載されたEGFR 阻害薬(肺がん)は7品目です。2020年以降の3品目は類似薬効比較方式(I)2品目・類似薬効比較方式(II)1品目で算定され、比較薬が同じ種類の品目だったのは1品目、ほかの2品目は同じ種類ではない品目が比較薬でした(選ばれた理由は品目ページの算定の欄にあります)。
| 収載日 | 品目 | 会社 | 算定方式 | 比較薬 | 補正加算など | その後の価格の動き | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2007年12月14日 | タルセバ | 中外製薬 | 類似薬効比較方式(I)外国平均価格調整(引上げ) | イレッサ | 有用性加算(II)(A=5) | — | 資料 |
| 2014年4月17日 | ジオトリフ | 日本ベーリンガーインゲルハイム | 類似薬効比較方式(I) | イレッサ | 外国平均価格調整(引き上げ) | — | 資料 |
| 2016年5月25日 | タグリッソ | アストラゼネカ | 類似薬効比較方式(I) | ジオトリフ | 有用性加算(II) 5%、外国平均価格調整(引き上げ) | 2019/11 市場拡大再算定 —、2023/06 市場拡大再算定の特例 10.5% | 資料 |
| 2019年2月26日 | ビジンプロ | ファイザー | 類似薬効比較方式(II) | ジオトリフ | なし | — | 資料 |
| 2024年11月20日 | ライブリバント | ヤンセンファーマ | 類似薬効比較方式(I) | ポートラーザ | 有用性加算(II) 10% | — | 資料 |
| 2025年5月21日 | ラズクルーズ | ヤンセンファーマ | 類似薬効比較方式(II) | — | なし | — | 資料 |
| 2026年3月18日 | リブロファズ | ヤンセンファーマ | 類似薬効比較方式(I) | ライブリバント | なし | — | 資料 |
- EGFR 阻害薬(肺がん)の選び方(当社の分類):一般名が次のいずれかを含むもの:オシメルチニブ・ゲフィチニブ・エルロチニブ・アファチニブ・ダコミチニブ・ラゼルチニブ・アミバンタマブ。
- その後の価格の動きは、再算定と、費用対効果評価による価格調整(引き下げ率)です。
- 薬価・マーケットアクセスの方へ
- 比較薬が同じ種類から選ばれたか、同じ効能の品目から選ばれたかと、補正加算の付き方を確かめるときに。
- 新製品戦略の方へ
- EGFR 阻害薬の導入・開発を考えるときの、日本での算定の先例として。
2イコタイドと、IL-23・IL-17 阻害薬の算定の先例
イコタイド(イコトロキンラ塩酸塩)は2026年9月16日に承認され(新有効成分含有医薬品)、薬価収載を待っています。これまで9月に承認された新医薬品は、2023年は11月22日、2024年は11月20日、2025年は11月12日に主に収載されています(直近3年の承認から収載までの中央値は57日)。収載の日は、中医協の総会で了承されて決まります。
国内で収載されたIL-23・IL-17 阻害薬は9品目です。2020年以降の3品目はすべて類似薬効比較方式(I)で算定され、3品目とも、比較薬は同じ種類の品目でした。
| 収載日 | 品目 | 会社 | 算定方式 | 比較薬 | 補正加算など | その後の価格の動き | 出所 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2011年3月11日 | ステラ-ラ | ヤンセン ファーマ | 類似薬効比較方式(I) | — | なし | — | 資料 |
| 2015年2月24日 | コセンティクス | ノバルティスファーマ | 類似薬効比較方式(I) | ステラーラ | なし | — | 資料 |
| 2016年8月31日 | トルツ | 日本イーライリリー | 類似薬効比較方式(I) | コセンティクス | 外国平均価格調整(引き上げ) | — | 資料 |
| 2016年8月31日 | ルミセフ | 協和発酵キリン | 類似薬効比較方式(I) | コセンティクス | なし | — | 資料 |
| 2018年5月22日 | トレムフィア | ヤンセンファーマ | 類似薬効比較方式(I) | ステラーラ | 外国平均価格調整(引き | — | 資料 |
| 2019年5月22日 | スキリージ | アッヴィ | 類似薬効比較方式(I) | トレムフィア | なし | 2026/04 市場拡大再算定 11.1% | 資料 |
| 2020年8月26日 | イルミア | サンファーマ | 類似薬効比較方式(I) | スキリージ | なし | — | 資料 |
| 2022年4月20日 | ビンゼレックス | ユーシービージャパン | 類似薬効比較方式(I) | コセンティクス | 有用性加算(II) 5% | — | 資料 |
| 2023年5月24日 | オンボー | 日本イーライリリー | 類似薬効比較方式(I) | スキリージ | なし | — | 資料 |
- IL-23・IL-17 阻害薬の選び方(当社の分類):一般名が次のいずれかを含むもの:ウステキヌマブ・グセルクマブ・リサンキズマブ・チルドラキズマブ・ミリキズマブ・セクキヌマブ・イキセキズマブ・ブロダルマブ・ビメキズマブ・イコトロキンラ。
- その後の価格の動きは、再算定と、費用対効果評価による価格調整(引き下げ率)です。
- 薬価・マーケットアクセスの方へ
- 比較薬が同じ種類から選ばれたか、同じ効能の品目から選ばれたかと、補正加算の付き方を確かめるときに。
- 新製品戦略の方へ
- IL-23・IL-17 阻害薬の導入・開発を考えるときの、日本での算定の先例として。
3ヤンセンファーマの品目の再算定(直近5年)
2021年10月16日以降のヤンセンファーマの品目の再算定は4件です(市場拡大再算定4件)。
いちばん新しいのは2026年4月1日のダラキューロで、市場拡大再算定により8.5%引き下げられました(中医協の資料の理由:効能追加による市場規模の拡大)。
このうち1件は、ほかの品目の再算定にあわせて類似品として引き下げられたものです(2024年4月1日のアーリーダ)。
- 「類似品」は、ほかの品目の再算定にあわせて、同じ種類の品目として引き下げられたものです(中医協の資料の記載)。
- 引き下げ率は、資料の現行薬価と改定後の薬価(資料に改定後の薬価が無いときは薬価基準収載品目リスト)から計算しました。4月1日のように薬価改定と同じ日のものは、改定による変化を含みます。
- 薬価・マーケットアクセスの方へ
- 自社品の再算定の記録を、理由と率もあわせて一覧で確かめるときに。
- 経営企画の方へ
- 再算定の時期と率を、売上の計画の前提として確かめるときに。
4ヤンセンファーマの新薬の算定(直近5年)
2021年10月16日以降に収載されたヤンセンファーマの新薬は13品目です。算定方式と補正加算の内訳を、同じ期間のすべての新薬(283品目)と並べました。
| 項目 | ヤンセンファーマ | すべての新薬 |
|---|---|---|
| 新薬の収載 | 13品目 | 283品目 |
| 類似薬効比較方式 | 10(77%) | 181(64%) |
| 原価計算方式 | 0(0%) | 76(27%) |
| 規格間調整 | 2(15%) | 21(7%) |
| 新医療用配合剤の特例 | 1(8%) | 4(1%) |
| 本剤に係る特例に基づき算定 | 0(0%) | 1(0%) |
| 補正加算あり | 7(54%) | 193(68%) |
| 原価計算方式で補正加算あり | 0品目(うち加算係数0が0) | 69品目(うち加算係数0が45) |
- 品目は、収載日と販売名(規格を除く)ごとに1つと数えています。中医協の新医薬品一覧表の会社名で数えたので、販売提携先の名義の品目は含まない場合があります。
- 薬価・マーケットアクセスの方へ
- 自社の新薬の算定の傾向を、全体と比べるときに。
この先の予定と、進行中のこと
進行中のこと
- リブロファズ:2026年9月16日に承認され、薬価収載を待っている
- イコタイド:2026年9月16日に承認され、薬価収載を待っている
- イネレクスゾ:2026年8月24日に承認され、薬価収載を待っている
- タービー:費用対効果評価の評価中(2025年8月6日に選定)
日付の決まっていること(1年以内)
- アーリーダ:2027年3月25日に再審査期間が満了
公表されている日付と、いまの状態だけを載せています。収載の日・薬価・評価の結果の見込みは書いていません。
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このレポートの表(全件)と、ヤンセンファーマの品目の承認・新薬の薬価収載(算定方式・補正加算・薬価)・再算定を、出所(中医協・厚生労働省・PMDA の資料の URL)つきの Excel でお送りします(無料)。競合品や同じ種類の品目を足すこともできます。
このレポートについて
- 中医協・厚生労働省・PMDA・国立保健医療科学院などの公表資料から、ヘルスル医薬品データベースがまとめたものです。ヤンセンファーマ株式会社の確認を受けたものではありません。
- 薬の種類(ADC・PD-1/PD-L1 抗体など)と先例の選び方は当社によるもので、各節に選び方を書いています。
- 薬価の見込み、再算定や評価の結果の見込みは書いていません。
- 誤りのご指摘・掲載の取り下げのご依頼は、お問い合わせからお知らせください。確かめて、すぐに直します。