武田薬品工業の新薬の算定と再算定(2026年10月)オーゼイフル・エラヒア・再審査期間の満了

武田薬品工業の新薬の算定・再算定などについて、いまの論点を公表資料から整理しました。数字と日付はすべて中医協・厚生労働省・PMDA などの資料のとおりで、表ごとに出所を付けています。

こんな方に:薬価・マーケットアクセス/経営企画

2026年10月版 更新日:

ウェブ版(表の出所の資料・全件の表):https://www.healthle.jp/drug-database/companies/2120001077461/report

武田薬品工業のいまの論点

  1. 1

    2026年10月14日に収載されたオーゼイフルは原価計算方式で、有用性加算(I) 40%などに該当しましたが、加算係数は0でした。同じ日の原価計算方式の5品目は、いずれも加算係数0です。

  2. 2

    2026年9月16日に承認されたエラヒア(ADC)は収載を待っています。これまでのADC10品目の算定方式・比較薬・補正加算と、その後の価格の動きを並べました。

  3. 3

    2028年10月までに、ビバンセ・ニンラーロ・リュープリンSR・トリンテリックス・カボメティクス・アドセトリスなどの再審査期間が満了します(8件)。

1オーゼイフルの算定と、原価計算方式の加算係数の先例

オーゼイフルは2026年10月14日に原価計算方式で薬価収載されました。補正加算は有用性加算(I) 40%・市場性加算(I) 10%・先駆加算 10%に該当しましたが、加算係数は0でした。加算係数は、原価の内訳がどこまで開示されたか(開示度)に応じて決まり、補正加算の率に掛けられます。

同じ日に原価計算方式で収載された新薬は5品目(オーゼイフル・ブリヌスプリ・ラプシド・イムシブリー・ヒブサーゴ)で、いずれも補正加算に該当し、加算係数は0でした。

2022年4月以降に原価計算方式で収載され、補正加算に該当した新薬は68品目です。加算係数が書かれた59品目のうち、0が45品目、0.6が7品目、1.0が7品目でした(ほかの9品目は、加算係数の欄が無い2022年5月までの資料のもの)。

オーゼイフルの薬価(2026年10月14日収載)
規格薬価
オーゼイフル錠0.5mg22,773.3円
オーゼイフル錠1mg22,792.5円
オーゼイフル錠2mg22,838.8円
原価計算方式で補正加算に該当した新薬(2022年4月〜、68品目、新しい順)
収載日品目会社補正加算加算係数出所
2026年10月14日ラプシドノバルティスファーマ有用性加算(I) 35%0資料
2026年10月14日ブリヌスプリインスメッド有用性加算(I) 45%、小児加算 5%0資料
2026年10月14日ヒブサーゴグラクソ・スミスクライン有用性加算(I) 50%、先駆加算 10%0資料
2026年10月14日オーゼイフル武田薬品工業有用性加算(I) 40%、市場性加算(I) 10%、先駆加算 10%0資料
2026年10月14日イムシブリーリズムファーマ有用性加算(II) 10%、市場性加算(I) 10%、小児加算 5%、迅速導入加算 5%0資料
2026年8月13日ジョエンジャオーファンパシフィック有用性加算(I) 40%、市場性加算(I) 10%、小児加算 10%0資料
2026年8月13日キネレットSwedish Orphan BiovitrumJapan市場性加算(I) 10%、小児加算 5%0資料
2026年7月15日ハイツエキシン海和製薬有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%、迅速導入加算 10%0資料
2026年5月20日ドジョルビUltragenyx Japan有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 15%0資料
2026年5月20日ソホノスIPSEN有用性加算(II) 10%、市場性加算(I) 10%0資料
2026年4月15日ラヴィクティオーファンパシフィック有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 5%0資料
2026年3月18日プリミーフォート経腸用液CFクリニジェン小児加算 10%0資料
2026年3月18日プリミーフォート経腸用液クリニジェン小児加算 10%0資料
2026年3月18日エルゾンリス日本新薬有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 15%0資料
2025年11月12日ワイキャンス外用液鳥居薬品小児加算 10%0資料
残りの53件を見る
収載日品目会社補正加算加算係数出所
2025年11月12日ロカメッツキットノバルティスファーマ有用性加算(II) 5%0資料
2025年11月12日プルヴィクトノバルティスファーマ有用性加算(II) 5%0資料
2025年11月12日ネフィー点鼻液アルフレッサ ファーマ有用性加算(II) 5%、小児加算 10%0.6資料
2025年11月12日ドルミカム丸石製薬有用性加算(II) 5%、特定用途加算 10%1.0資料
2025年11月12日ガリアファーム溶出用ノバルティスファーマ有用性加算(II) 5%0資料
2025年11月12日ガリアファームノバルティスファーマ有用性加算(II) 5%0資料
2025年11月12日アイザベイ硝子体内アステラス製薬有用性加算(II) 5%0資料
2025年10月22日ヨビパス帝人ファーマ有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%0資料
2025年8月14日エアウィンMSD有用性加算(I) 45%、市場性加算(I) 15%0資料
2025年8月14日ウェリレグMSD画期性加算 75%、市場性加算(I) 15%0資料
2025年5月21日リブマーリ武田薬品工業有用性加算(II) 10%、市場性加算(I) 15%0資料
2025年5月21日カムザイオスブリストル・マイヤーズスクイブ有用性加算(I) 45%、市場性加算(I) 10%0資料
2025年3月19日クアルソディ髄バイオジェン・ジャパン有用性加算(II) 15%、市場性加算(I) 15%0資料
2024年11月20日ロゼバラミンエーザイ市場性加算(I) 10%0.6資料
2024年11月20日ルプキネス大塚製薬有用性加算(II) 5%0.6資料
2024年11月20日ファダプスダイドーファーマ有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%0資料
2024年11月20日テッペーザアムジェン有用性加算(I) 45%、市場性加算(I) 10%0資料
2024年11月20日アセノベル徐放ノーベルファーマ有用性加算(I) 45%、市場性加算(I) 10%、迅速導入加算 5%1.0資料
2024年8月15日リブテンシティ武田薬品工業有用性加算(I) 40%、市場性加算(I) 10%0.6資料
2024年8月15日アビガン富士フイルム富山化学市場性加算(I) 10%1.0資料
2024年5月22日ビザミル日本メジフィジックス有用性加算(II) 5%1.0資料
2024年5月22日ビキセオス日本新薬有用性加算(I) 45%、市場性加算(I) 10%0資料
2024年5月22日シスタドロップスヴィアトリス製薬有用性加算(II) 15%、市場性加算(I) 10%0.6資料
2024年5月22日サルグマリンノーベルファーマ画期性加算 75%、市場性加算(I) 15%0資料
2024年5月22日オビザー武田薬品工業有用性加算(II) 10%、市場性加算(I) 10%0.6資料
2024年5月22日アミヴィッドPDRファーマ有用性加算(II) 10%1.0資料
2024年5月22日アキュミン日本メジフィジックス有用性加算(II) 5%1.0資料
2024年4月17日レブロジルブリストル・マイヤーズ スクイブ有用性加算(I) 45%、市場性加算(I) 10%0資料
2024年4月17日ボイデヤアレクシオンファーマ有用性加算(I) 40%、市場性加算(I) 10%、迅速導入加算 10%0資料
2024年4月17日ゾキンヴィアンジェス有用性加算(I) 45%、市場性加算(I) 15%0資料
2023年12月20日レケンビエーザイ有用性加算(I) 45%1.0資料
2023年11月22日メグルダーゼ大原薬品工業有用性加算(II) 10%、市場性加算(I) 10%0資料
2023年11月22日ウゴービノボ ノルディスク ファーマ有用性加算(II) 5%0資料
2023年8月30日オンキャスパー日本セルヴィエ有用性加算(II) 5%、小児加算 5%0資料
2023年8月9日シュンレンカギリアド・サイエンシズ有用性加算(I) 35%、市場性加算(I) 10%0資料
2023年8月9日シュンレンカギリアド・サイエンシズ有用性加算(I) 35%、市場性加算(I) 10%0資料
2023年5月24日ネキソブリッド外用ゲル科研製薬有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%0資料
2023年5月24日オファコルレクメド有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%0.6資料
2023年5月24日アトガムファイザー有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%0資料
2023年3月15日アーウィナーゼ大原薬品工業有用性加算(II) 5%、小児加算 5%0資料
2022年11月16日スペビゴ日本ベーリンガーインゲルハイム有用性加算(II) 5%0資料
2022年11月16日カブリビサノフィ有用性加算(II) 10%、市場性加算(I) 10%0資料
2022年8月18日ボックスゾゴBioMarin PharmaceuticalJapan有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%0資料
2022年8月18日エジャイモサノフィ有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%0資料
2022年5月25日メプセヴィアミカス・セラピュ―ティクス有用性加算(II) 10%、市場性加算(I) 10%(欄なし)資料
2022年5月25日タブネオスキッセイ薬品工業有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%(欄なし)資料
2022年5月25日ゼンフォザイムサノフィ有用性加算(II) 10%、市場性加算(I) 10%、先駆加算 10%(欄なし)資料
2022年5月25日オンデキサアレクシオンファーマ有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%(欄なし)資料
2022年4月20日ピヴラッツイドルシア ファーマシューティカルズ ジャパン有用性加算(II) 5%(欄なし)資料
2022年4月20日ウィフガートアルジェニクスジャパン有用性加算(II) 5%、市場性加算(I) 10%(欄なし)資料
2022年4月1日バイアグラヴィアトリス製薬有用性加算(II) 5%(欄なし)資料
2022年4月1日バイアグラODフィルムヴィアトリス製薬有用性加算(II) 5%(欄なし)資料
2022年4月1日シアリス日本新薬有用性加算(II) 5%(欄なし)資料
薬価・マーケットアクセスの方へ
原価計算方式で補正加算を見込む品目について、加算係数がどう付いてきたかを確かめるときに。

2エラヒアと、抗体薬物複合体(ADC)の算定の先例

エラヒア(ミルベツキシマブ ソラブタンシン(遺伝子組換え))は2026年9月16日に承認され(新有効成分含有医薬品、希少疾病用医薬品)、薬価収載を待っています。これまで9月に承認された新医薬品は、2023年は11月22日、2024年は11月20日、2025年は11月12日に主に収載されています(直近3年の承認から収載までの中央値は57日)。収載の日は、中医協の総会で了承されて決まります。

国内で収載された抗体薬物複合体(ADC)は10品目です。2020年以降の7品目はすべて類似薬効比較方式(I)で算定され、比較薬が同じ種類の品目だったのは4品目、ほかの3品目は同じ種類ではない品目が比較薬でした(選ばれた理由は品目ページの算定の欄にあります)。

抗体薬物複合体(ADC)の新薬の算定(10品目、収載の順)
収載日品目会社算定方式比較薬補正加算などその後の価格の動き出所
2014年4月17日アドセトリス武田薬品工業原価計算方式—なし2024/04 市場拡大再算定 18%資料
2014年4月17日カドサイラ中外製薬原価計算方式—平均的営業利益率×110%(18.6%)、外国平均価格調整(引き上げ)—資料
2018年4月18日ベスポンサファイザー原価計算方式—有用性加算(II) 10%、市場性加算(I) 10%、加算係数0.2—資料
2020年5月20日エンハーツ第一三共類似薬効比較方式(I)カドサイラ有用性加算(II) 5%2022/07 費用対効果評価による価格調整 2.2%、2024/04 市場拡大再算定 2.6%資料
2021年5月19日ポライビー中外製薬類似薬効比較方式(I)アドセトリス有用性加算(II) 5%2024/02 市場拡大再算定 15%資料
2021年11月25日パドセブアステラス製薬類似薬効比較方式(I)カドサイラ有用性加算(II) 10%2023/06 費用対効果評価による価格調整 8.2%、2026/04 市場拡大再算定 11.8%資料
2024年11月20日トロデルビギリアド・サイエンシズ類似薬効比較方式(I)テセントリク有用性加算(I) 40%2026/11 費用対効果評価による価格調整 11%資料
2025年3月19日ダトロウェイ第一三共類似薬効比較方式(I)トロデルビなし2026/11 費用対効果評価による価格調整 11%資料
2025年5月21日テブダックジェンマブ類似薬効比較方式(I)リブタヨ有用性加算(I) 40%—資料
2026年3月18日ブーレンレップグラクソ・スミスクライン類似薬効比較方式(I)ダラザレックス有用性加算(II) 10%、迅速導入加算 5%—資料
  • 抗体薬物複合体(ADC)の選び方(当社の分類):一般名の後半が、抗体に薬物を結合させた成分の名前の付け方(ベドチン・デルクステカン・ゴビテカン・オゾガマイシン・マホドチン・エムタンシン・ソラブタンシン・テシリン)のもの。
  • その後の価格の動きは、再算定と、費用対効果評価による価格調整(引き下げ率)です。
薬価・マーケットアクセスの方へ
比較薬が同じ種類から選ばれたか、同じ効能の品目から選ばれたかと、補正加算の付き方を確かめるときに。
新製品戦略の方へ
ADCの導入・開発を考えるときの、日本での算定の先例として。

32028年10月までに再審査期間が満了する品目

更新日から2年以内(2028年10月15日まで)に再審査期間が満了する武田薬品工業の品目は8件です(効能ごとに満了日が違う品目は、満了日ごとに数えています)。

再審査期間の満了は、後発品・バイオ後続品の承認申請ができるようになる時期の目安の1つです。特許の期間は別に決まるため、このページでは後発品の時期は書いていません。

再審査期間が満了する品目(8件、日付の順)
品目満了日再審査期間指定出所
ビバンセ2027年3月25日8年—資料
ニンラーロ2027年3月29日10年希少疾病用医薬品資料
リュープリンSR2027年8月24日10年希少疾病用医薬品資料
トリンテリックス2027年9月19日8年—資料
カボメティクス2028年3月24日8年—資料
アドセトリス2028年5月25日6年1日希少疾病用医薬品資料
フィラジル2028年9月20日残余期間(令和10年9月20日まで)希少疾病用医薬品資料
ゼジューラ2028年9月24日8年—資料
経営企画の方へ
主力品の後発品・バイオ後続品の時期を考える材料の1つとして(特許の期間と合わせて)。

4武田薬品工業の新薬の算定(直近5年)

2021年10月16日以降に収載された武田薬品工業の新薬は12品目です。算定方式と補正加算の内訳を、同じ期間のすべての新薬(283品目)と並べました。

算定方式と補正加算(2021年10月16日〜、品目の数)
項目武田薬品工業すべての新薬
新薬の収載12品目283品目
類似薬効比較方式8(67%)181(64%)
原価計算方式4(33%)76(27%)
規格間調整0(0%)21(7%)
新医療用配合剤の特例0(0%)4(1%)
本剤に係る特例に基づき算定0(0%)1(0%)
補正加算あり10(83%)193(68%)
原価計算方式で補正加算あり4品目(うち加算係数0が2)69品目(うち加算係数0が45)
  • 品目は、収載日と販売名(規格を除く)ごとに1つと数えています。中医協の新医薬品一覧表の会社名で数えたので、販売提携先の名義の品目は含まない場合があります。
薬価・マーケットアクセスの方へ
自社の新薬の算定の傾向を、全体と比べるときに。

この先の予定と、進行中のこと

進行中のこと

日付の決まっていること(1年以内)

  • ビバンセ:2027年3月25日に再審査期間が満了
  • ニンラーロ:2027年3月29日に再審査期間が満了
  • リュープリンSR:2027年8月24日に再審査期間が満了
  • トリンテリックス:2027年9月19日に再審査期間が満了

公表されている日付と、いまの状態だけを載せています。収載の日・薬価・評価の結果の見込みは書いていません。

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このレポートの表(全件)と、武田薬品工業の品目の承認・新薬の薬価収載(算定方式・補正加算・薬価)・再算定を、出所(中医協・厚生労働省・PMDA の資料の URL)つきの Excel でお送りします(無料)。競合品や同じ種類の品目を足すこともできます。

このレポートについて

  • 中医協・厚生労働省・PMDA・国立保健医療科学院などの公表資料から、ヘルスル医薬品データベースがまとめたものです。武田薬品工業株式会社の確認を受けたものではありません。
  • 薬の種類(ADC・PD-1/PD-L1 抗体など)と先例の選び方は当社によるもので、各節に選び方を書いています。
  • 薬価の見込み、再算定や評価の結果の見込みは書いていません。
  • 誤りのご指摘・掲載の取り下げのご依頼は、お問い合わせからお知らせください。確かめて、すぐに直します。

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